作者 東俊達先生
美大受験実技デッサンで静物デッサンの試験があります。試験の採点ではそのものの質感や立体感、遠近感、構図、タッチなど多くの観点から評価されます。
まず初めに大まかな形を直線で描いていきます。受験は時間との闘いなので、この時に良い構図をどれだけ早く描けるかがポイントです。画面の余白や、モチーフ同士の関係性、遠近感や奥行きなど気をつけるポイントはたくさんあります。
お互いの明度のバランスを考えながら、頭の中またはエスキースで明度作戦会議を行うと良いでしょう。全体の明度のメリハリがないと画面上で明度のリズム感がなくなってしまうので、1番暗いところから、1番明るいところまで、順番を考えて描く必要があります。また、立体感を表現するためにメインの明暗境界線の位置も把握しておく必要があります。
基本的には1番暗いところやメインから描いていくのが定石です。よく観察してものの構造や質感を意識しながら描いていきます。
今回は光沢物なので、光が反射している表現が1番大切になります。ハイライトは白く残し、ハイライトに近づくにつれて明るく描くと良いでしょう。また、やかんの丸みを帯びた形も意識しながら描き進める必要があります。
最初は大胆に大きな面で考え、影をつけていきます。そのあと細分化していき立体感や質感を演出していきます。
面と線と点のバランスを考えながらタッチの方向を意識して進めていきます。
全体的な布の流れるような構図や、タッチの方向、質感、実と虚、明度のバランスなどの全体のリズムを整えていき完成です。
美大受験静物デッサンは枚数を重ねるごとに上達していきます。しかし、更に上達を早くし、周りと差をつけるためには8つのポイントに注意しながら描いていく必要があります。自分が苦手なポイントを克服し、得意なポイントを更に伸ばし高得点を狙いましょう!
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