作者 東俊達先生
まずはじめに大まかな形を直線で取っていきます。
形を取る時はピーマンの構造を理解しながら面の分かれ目の線を描いてポリゴン画法を意識するとより立体感が出ます。
明暗境界線から強調していきます。明暗境界線をぼかすことがデッサンの立体感を表現する上で1番大切です。
暗部の面と明部の面を分けていきます。暗部を先に描くことが大切です。
立体感を意識しながら、タッチの方向を変えて描いていきます。授業内で教えている明暗理論を意識しながら明度差を出していきます。
ティッシュを使って暗部をぼかしていきます。ティッシュを使いすぎるとタッチがないCGみたいな絵になってしまうので、注意が必要です。虚の部分にティッシュを使うことをおすすめしています。ピーマンは固有色が濃いので明部暗部共に暗くしていき背景との差を出していきます。
細部を見すぎると全体の濃さの差を見失ってしまうので常に全体を見ながら明度差を考えながら描いていきます。
1番濃い部分をさらに濃くしていきます。濃さをしっかり出すことでそのものの質量、メリハリ立体感を表現することができます。
布のタッチは勢いよく、流れるように描き、全体のバランスを整えていきます。細かくモチーフを観察し繊細な変化を描写することで完成度が上がります。
上手いデッサンとは
上手いデッサンとは何か。皆それぞれ“上手い”という感覚、基準は違います。また、上手いと思う絵も描く年数ごとに変化していきます。
最初は写真のようなデッサンが上手いと感じ、理論や基礎をしっかり学べば、そのような絵が描けるようになってきます。その次は何か別のさらに良いものと思えるものを永遠に追求していきます。終わりがないことこそが芸術の魅力かもしれません。
上手いという感覚はその人の主観であって、それは自分の”見る目”が変わると上手く見えなくることがあります。また、周りの人と比べると自分の絵が物足りなく感じることがあります。この”上手い”という基準は常に変化していくでしょう。
この”上手いデッサン”を描くために努力するのは必要です。ただ前提にこの感覚は変化し、正解がないということを頭に入れておく必要があります。だから絵を描く段階でわけわからなくなったり、理解しているような気持ちになったり、視覚芸術について本当に悟ったりと色々な感情、状態になると思います。それはとても正常な感覚でその中でさらに一段階上の描き方や表現方法、考え方を学んでいき成長していきます。理論を超えた何かを学ぶことこそ芸術の醍醐味ですね。
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