作者 東俊達先生
球体はデッサンにおいて最も重要な課題の中の一つです。立体感を表現するためにメインの明暗境界線を捉えて、綺麗なグラデーションでぼかす技術は必須です。
まずはおおまかな形を直線でとっていきます。最初直線で形をとるのには理由があります。例えば、石膏像を造る時にいきなり曲線で彫ることはできません。少しずつ細かい直線を繋げて曲線を作り出しています。そのような考え方で描くとポリゴン画法や立体感を意識することができます。光は平行に入ってくるので球体と落ち影のつじつまが合うように落ち影の位置に注意する必要があります。
※こちらは明暗境界線はポリゴン画法の面の集合体でできていることを簡単に表している図になります。
曲線美の美しい球体の形を概ね取れたら、線を細くて薄い線に洗練していきます。
最初は暗部から丁寧に均等な強さの長いストロークの線で影を描いていきます。この時に明暗境界線はしっかりと強調しましょう。
落ち影は球体の暗部より暗いので、明度差をしっかりつけます。光は左方向から来ていますので、落ち影の左側の方を暗くします。
背景を描きながら、白い部分を浮き立たせて立体感を演出します。背景は長いストロークの線で塗ると綺麗に仕上がります。
明暗境界線は線に沿ってぼかしていきます。ぼかすときは、だんだん明暗境界線である一番暗い線から離れるにつれてグラデーションで薄くしていきます。球体は描きながら必ず歪みが生じてくるので、たまに遠くから眺め、バランスを整えながら描いた方が良いです。
タッチの方向や布の表情などをよく観察し構図、明度、点と面と線などバランスを考えます。球体や布の明部は薄い鉛筆でタッチを少しつけて描くとリズム感が出るでしょう。凹みや、傷などの繊細な変化を少し入れて完成です。
なかなか自分1人では最初から綺麗な球体を描くことはできません。どこでつまずいているのか、どう改善すべきか、描き方のコツなどを授業内でもっと多く皆さんにお伝えしますので、一緒に少しずつ頑張っていきましょう✨
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