鉛筆デッサン:人物画の描き方 by 東俊達先生(AZUMAs式デッサン)

作者 東俊達先生

使用した画材はマルマンスケッチブック、鉛筆6B、2B、2H、練り消しゴムです。

生徒さんからのリクエストで、人物の全身像を描きました。人物画は描きごたえがあり、制作中はとても楽しかったです。表面的な特徴だけでなく、その人の印象雰囲気まで表現できると、作品により深みが増すと感じます。

カクカクの状態。この状態から完成作品になるのは自分でも驚きです。

モチーフ全体の比率、骨格、パースなどに気をつけながら、形を微調整していきます。正確な形をとることは容易ではないので、普段の授業で形がうまく取れない方は影を描く前に添削いたします。

もう思いっきり顔からスタート。

今回は外枠から攻略していきます。

少しずつ形になってきました。

書道派画法発動。これによりこの絵は途中で諦めることなく、勝ち確に突入していきます。

それぞれのモチーフの質感が出せると臨場感が出ます。

あとはどこまでこだわれるか。こだわりそこが完成度の高い作品を創り出していきます。これで完成です!


社会人クラスや美大受験クラスのほかに、子どもクラスでも絵の指導を行っています。ある授業で子どもたちに「将来の夢」を尋ねたところ、私の影響もあってか「画家になりたい」と答える子が多く、とても嬉しく思いました。

以前、雑誌の取材で「仕事はしていません」と答えたことがあります。その言葉の真意は、絵を描くことが私にとって趣味や娯楽の延長であり、「やらなければならない仕事」という感覚がないからです。好きなことで生きていけることの幸福感は、計り知れません。

一流の画家は歴史に残り、偉大であると同時に「画家は食べていけるのか?」という質問もよく受けます。私自身、作品を販売するだけでも生計は成り立っています。とはいえ、それは社会が大きく変化してきたのと同様、これからの画家にとっては、「絵を売る」ことだけにこだわる必要はないとも感じています。たとえば、知識や技術を教えること、商品や空間などをデザインすること、美術監督やマンガ制作など、絵の力を活かせる仕事は多岐にわたります。アートの才能があれば、自分の気分やライフステージに合わせてやることを選択できます。

人工知能の進化により、多くのことが誰にでも簡単に実現できる時代に突入しています。「正解のある問題」は、やがて多くの人が容易に解けるようになるでしょう。そうした時代に必要とされるのは、「正解のない問い」の中で、自分や他者、そして社会にとってより良いものを創造する力です。芸術や絵を描くという行為は、まさにそのような「正解のない世界」において、美や幸福を追求し、新たな価値を生み出していく営みです。絵を描くことは、技術を学ぶだけでなく、思考精神、そして哲学を深めることでもあります。それこそが芸術の醍醐味であり、人生に通じる大きな学びであると、私は信じています。

文•絵 東俊達

AZUMAs美術学院 

《絵画教室 大阪/兵庫(神戸)/京都/新潟/東京 水彩画/デッサン教室 美大受験予備校 社会人/子ども絵画教室》

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